外壁塗装のツヤあり・ツヤなし、気候条件別の最適な選び方完全マニュアル

外壁塗装をご検討中の皆様、こんにちは。株式会社 楪のスタッフです。

お住まいの塗り替え計画において、多くの方が最も時間をかけて悩まれるのは「外壁の色」ではないでしょうか。しかし、仕上がりの美しさや、その後のメンテナンスのしやすさを左右するもう一つの重要な要素として、「塗料のツヤ(光沢)」の選び方がございます。

「新築のような輝きを取り戻したい」と思われる方もいれば、「周囲の景観に馴染むマットで落ち着いた雰囲気にしたい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。実はこのツヤの有無は、単なる見た目の好みだけでなく、汚れの付きにくさや耐久性、さらにはお住まいの地域の日当たりや湿気といった気候条件とも深く関係していると言われています。

せっかくの塗り替えですから、デザイン性はもちろんのこと、建物を長く守るための機能面もしっかり考慮して選びたいものです。そこで今回は、外壁塗装における「ツヤあり」と「ツヤなし」それぞれの特徴やメリット、そして皆様のお住まいの環境に合わせた最適な選び方について詳しく解説してまいります。これからリフォームをお考えの方にとって、後悔のない選択の一助となれば幸いです。

1. 外壁の印象と機能を左右するツヤあり・ツヤなし、それぞれの特徴とメリットについて

外壁塗装のリフォームを計画する際、多くの施主様が色選びに時間をかけますが、実は「ツヤ(光沢度)」の選択も同じくらい重要です。塗料のカタログを見ると、同じ色番でも「ツヤあり」「7分ツヤ」「5分ツヤ」「3分ツヤ」「ツヤなし(マット)」といった光沢の段階が設定されているケースが多々あります。このツヤの加減ひとつで、家の外観イメージは劇的に変わり、さらには塗膜の耐久性や汚れの付きにくさといった機能面にも大きな影響を及ぼします。

まず、ツヤあり塗料の特徴とメリットについて解説します。
一般的に、シリコン塗料やフッ素塗料など多くの塗料は、基準となる状態で「ツヤあり」として設計されています。ツヤあり塗料の最大のメリットは、「高い耐候性と防汚性」です。塗装表面がつるつると滑らかに仕上がるため、排気ガスや砂埃などの汚れが付着しにくく、雨水と一緒に汚れが流れ落ちやすい性質を持っています。また、水切れが良いため、カビやコケ、藻の発生リスクを抑制する効果も期待できます。見た目には新築時のようなピカピカとした輝きがあり、家全体が明るく若々しい印象になります。特にサイディング外壁の保護や、メンテナンスサイクルを長く保ちたい場合には非常に適しています。

対して、ツヤなし(マット仕上げ)塗料の特徴とメリットです。
ツヤなし塗料は、光の反射を抑えた「落ち着いた高級感」が最大の魅力です。和風住宅や、ジョリパットなどの意匠性の高いモルタル外壁、あるいは近年トレンドとなっているブラックやダークグレーを基調としたモダンな住宅デザインと非常に相性が良いです。テカテカとした光沢がないため、周囲の景観や自然環境にしっとりと馴染みます。
機能面では、従来のツヤ消し塗料はツヤあり塗料にツヤ消し剤(フラットベース)を添加して作られることが多く、そのため塗膜の結合力がわずかに低下したり、表面の微細な凹凸に汚れが留まりやすかったりするというデメリットが指摘されていました。しかし、近年では水谷ペイントの「ナノコンポジットW」のように、元からツヤ消しとして開発され、高いセルフクリーニング機能と耐久性を兼ね備えた製品も登場しています。

選び方の基準としては、機能性とメンテナンスの容易さを最優先するなら「ツヤあり」、デザイン性や質感を重視するなら「ツヤなし」を基本としつつ、その中間である「3分ツヤ」や「5分ツヤ」でバランスを取るのが賢い方法です。建物のスタイルや求める機能に合わせて、最適な質感を選定しましょう。

2. 日当たりや湿気が気になる方へ、お住まいの気候条件に合わせた最適な選び方をご提案します

外壁塗装の色選びと同じくらい重要でありながら、意外と見落とされがちなのが「ツヤの有無」です。実は、ツヤあり・ツヤなしの選択は、単なる見た目の好みだけでなく、建物の耐久性やメンテナンス頻度に直結する機能的な側面を持っています。特にお住まいの地域の日当たり具合や湿気の多さは、塗料の劣化スピードを大きく左右する要因です。ここでは、気候条件や立地環境に基づいた、失敗しないツヤの選び方を解説します。

まず、日当たりが良く紫外線が強い環境についてです。南向きの壁面や、高い建物が周囲にない開けた土地にある住宅は、一年を通して強い紫外線を浴び続けます。紫外線は塗膜を破壊する最大の敵であり、色あせやチョーキング現象(壁を触ると白い粉がつく現象)の原因となります。このような環境では、原則として「ツヤあり」の塗料を選ぶことを強く推奨します。ツヤあり塗料は表面が滑らかでコーティング層が緻密に形成されるため、紫外線のダメージを受け流しやすく、耐候性に優れているからです。日本ペイントの「パーフェクトトップ」やエスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」といったラジカル制御形塗料のツヤありタイプなどは、紫外線による劣化を抑える機能が高く、長期間美観を保つのに適しています。

次に、湿気が多く日当たりが悪い環境についてです。川沿いや山林の近く、あるいは隣家との距離が近く風通しが悪い北側の外壁などは、湿気が溜まりやすく、カビや苔、藻が発生しやすいリスクがあります。こうした条件下でも、基本的には「ツヤあり」が有利に働きます。ツヤ消し塗料は、光を乱反射させるために表面に微細な凹凸をつけていますが、この凹凸に水分や汚れが滞留しやすく、それがカビや苔の温床になりがちです。一方、ツヤあり塗料は表面がつるつるしており、雨水がスムーズに流れ落ちるため、汚れが付着しにくく、カビの胞子も根付きにくいという自浄作用が期待できます。

しかし、「和風建築だからどうしてもマットな質感にしたい」「ピカピカした見た目は好ましくない」という理由で、湿気の多い環境でもツヤ消しを選びたいケースもあるでしょう。その場合は、単に調整剤を入れてツヤを消しただけの塗料ではなく、元からツヤ消し専用に設計された高機能塗料を選ぶことが重要です。例えば、水谷ペイントの「ナノコンポジットW」のような塗料は、ツヤ消しでありながら独自の技術で汚れにくさを実現しており、防カビ・防藻性にも優れています。また、透湿性が高い塗料を選ぶことで、壁内部の湿気を外に逃がし、塗膜の膨れや剥がれを防ぐことも可能です。

結論として、耐久性とメンテナンスの容易さを最優先するのであれば、日当たりの良し悪しや湿気の有無に関わらず「ツヤあり」が最も安全な選択肢と言えます。しかし、近年の塗料技術の進化により、ツヤ消しでも高い耐久性を持つ製品が登場しています。ご自宅の立地環境が「紫外線ダメージ」を受けやすいのか、それとも「湿気による汚れ」が気になるのかを見極め、施工業者と相談しながら、デザインと機能のバランスが取れた塗料を選定してください。

3. 汚れにくさや耐久性に違いはあるのでしょうか?メンテナンス視点で考える塗料の選択基準

外壁塗装において「ツヤあり」と「ツヤなし(マット仕上げ)」のどちらを選ぶかは、建物の美観だけでなく、将来的なメンテナンスサイクルやコストパフォーマンスに直結する重要な判断材料です。結論から申し上げますと、一般的に「ツヤあり」塗料の方が、汚れにくさと耐久性の面で優れている傾向にあります。ここでは、その理由とメンテナンス視点での賢い選び方を解説します。

ツヤの有無が機能性に与える影響

なぜツヤありの方が機能的に有利なのでしょうか。その秘密は塗膜の表面構造にあります。

* ツヤありの場合
塗膜の表面が平滑でツルツルしているため、水弾きが良く、雨水と一緒に汚れが洗い流されやすい性質を持っています(セルフクリーニング効果)。また、コケやカビの胞子が付着しにくく、長期間にわたって美観を保ちやすいのが特徴です。

* ツヤなしの場合
多くの塗料では、ベースとなるツヤあり塗料に「艶消し剤(フラットベース)」という添加剤を混ぜ、表面に微細な凹凸を作ることで光を乱反射させてツヤを消しています。この微細な凹凸に埃や排気ガスの汚れが溜まりやすく、水はけもツヤありに比べると劣るため、コケや藻が発生するリスクが高まります。また、添加剤が含まれる分、塗料の主成分である樹脂の割合が相対的に減少し、塗膜の結合力が弱まることで耐久年数がわずかに短くなるケースがあります。

環境別・メンテナンス視点での推奨

お住まいの環境や重視するポイントによって、どちらを選ぶべきかが変わります。

1. 交通量の多い道路沿いや工業地域**
排気ガスや砂埃による汚れが懸念されるエリアでは、汚れが付着しにくい「ツヤあり」が圧倒的に有利です。黒ずみや煤汚れを防ぎ、次の塗り替えまでの期間を延ばすことができます。

2. 日当たりが悪く湿気が多い場所**
北側の外壁や隣家との距離が近い場合、コケやカビが発生しやすくなります。水切れの良い「ツヤあり」を選ぶことで、バイオ汚染のリスクを軽減し、外壁の腐食を防ぐメンテナンス効果が期待できます。

3. 和風建築や落ち着いたデザインを優先したい場合**
どうしても「ツヤなし」の質感が必須である場合は、最初から艶消しとして設計された製品を選ぶことが重要です。日本ペイントやエスケー化研などの大手メーカーからは、艶消しでも高い耐候性と低汚染性を持つナノテクノロジーを応用した塗料が販売されています。無理にツヤあり塗料に調整剤を入れてツヤを消すのではなく、元来の設計段階でマット仕上げとなっている高機能塗料を指定することで、耐久性のデメリットをカバーできます。

まとめ

メンテナンスの手間を減らし、塗り替えサイクルを長くしたいというコストパフォーマンス重視の方には、「ツヤあり」が最も安全な選択肢です。一方で、デザイン性を重視して「ツヤなし」を選ぶ際は、汚れやすさを考慮し、低汚染機能が付加されたグレードの高い塗料を選定することが、長期的に見て家の資産価値を守ることに繋がります。

4. 和風住宅には落ち着きを、洋風住宅には輝きを?建物のスタイルに調和する質感選びのヒント

外壁塗装において、塗料の「色」と同じくらい重要なのが「ツヤ(光沢)」の加減です。建物の形状やスタイルによって適した質感は大きく異なり、選択を誤ると「イメージと違う」「安っぽく見える」といった失敗につながりかねません。ここでは、和風住宅と洋風住宅それぞれの特徴に合わせたツヤ選びのポイントと、デザイン性と機能性を両立させるためのヒントを解説します。

和風住宅:素材感を活かす「ツヤなし~3分ツヤ」**
純和風の住宅や、木材、土壁、モルタル、日本瓦を使用している建物には、光沢を抑えたマットな質感が最も適しています。日本建築には古来より素材そのものの風合いや、経年変化を楽しむ美意識があります。
そのため、テカテカと光を強く反射する「ツヤあり(全ツヤ)」の塗料を使用すると、外壁だけがプラスチックのような人工的な質感になり、建物本来の重厚感や品格を損なってしまうリスクがあります。和風住宅の塗装リフォームでは、「ツヤ消し(マット仕上げ)」、またはほんのりと光沢を残しつつ落ち着きを演出する「3分ツヤ」を選ぶことで、高級旅館のような上品で深みのある仕上がりを実現できます。

洋風住宅:鮮やかさを際立たせる「ツヤあり~7分ツヤ」**
一方、サイディング貼りの洋風住宅や、アーリーアメリカン調、南欧風のデザインには、「ツヤあり」や「7分ツヤ」がよく映えます。洋風建築はデザイン自体が華やかであり、光沢のある塗料を使うことで、新築時のような輝きと明るさを取り戻すことができます。
また、ツヤのある塗膜は表面が滑らかで、雨水と一緒に汚れを洗い流す効果(セルフクリーニング機能に近い働き)が期待できる点も大きなメリットです。白い壁や鮮やかなパステルカラーの外壁など、汚れが目立ちやすい洋風住宅においては、美観を長く保つためにツヤありを選ぶのが合理的です。日本ペイントやエスケー化研といった大手塗料メーカーからも、高い耐候性と美しい光沢を兼ね備えたシリコン塗料やフッ素塗料が多数展開されており、多くの洋風住宅で採用されています。

和モダン・シンプルモダン:バランス重視の「5分ツヤ」**
近年人気の高い「和モダン」や、黒やグレーを基調とした「シンプルモダン」な住宅の場合、ツヤ選びはより慎重になる必要があります。完全にツヤを消すと耐久性や防汚性に不安が残り、逆に全ツヤにするとモダンでスタイリッシュな印象が損なわれる場合があります。
こうしたケースでは、「5分ツヤ(半ツヤ)」を選択肢に入れるのが賢明です。光沢とマットの中間的な質感である5分ツヤは、汚れにくさという機能面を確保しつつ、主張しすぎない上品な光沢感を得ることができます。

気候条件とスタイルの調和**
建物のスタイルだけでなく、お住まいの地域の気候条件も加味して最終決定を行うことが重要です。例えば、湿気が多くコケやカビが発生しやすい山間部や川沿いの地域にある和風住宅の場合、意匠性を優先して完全な「ツヤ消し」にすると、表面の微細な凹凸に水分や胞子が留まりやすくなる可能性があります。
このような環境では、見た目のマットさを極力維持しながらも、水はけを良くするために「3分ツヤ」を選択するなど、デザインと機能のバランスを取る視点が必要です。実際に塗料を選ぶ際は、A4サイズ以上の塗り板見本を屋外で確認し、晴天時や曇天時、朝夕の光の当たり方による見え方の違いをチェックすることをおすすめします。

5. イメージ通りの仕上がりに近づけるために、色見本や試し塗りで確認したい光の反射と見え方

外壁塗装のリフォームにおいて、施主様が最も頭を悩ませ、かつトラブルになりやすいのが「仕上がりのイメージ違い」です。特に「ツヤあり」か「ツヤなし」かの選択は、カタログ上の小さなチップだけでは判断が難しく、実際に広い面積に塗装した際に「思っていたよりもテカテカして安っぽく見える」あるいは「予想以上に地味で汚れが目立ちそう」といった感想を持つケースが後を絶ちません。こうしたギャップを埋めるためには、光の反射特性を理解し、適切な方法で事前の確認を行うことが重要です。

まず理解しておきたいのは、塗料のツヤが光の反射にどう影響するかという点です。ツヤあり塗料は表面が平滑で鏡面に近い状態になるため、光を「正反射」します。これにより、太陽光が当たると強く輝き、色は本来の色味よりも鮮やかに、そして濃く見える傾向があります。新築のようなピカピカとした清潔感を演出できる一方で、日当たりが良すぎる立地では反射が眩しく感じられることもあります。

対照的に、ツヤなし(マット)塗料や3分ツヤなどの低汚染塗料は、表面に微細な凹凸を作ることで光を多方向に散らす「拡散反射」を起こします。この効果により、光沢が抑えられ、色は柔らかく、実際よりも少し淡く(白っぽく)見えるようになります。落ち着いた高級感や和モダンな雰囲気に適していますが、色の選定時には「少し濃いめ」を選ばないと、仕上がりがぼやけた印象になる可能性があります。

これらの特性を踏まえた上で、失敗しない色選びのために必ず実践していただきたいのが、A4サイズ以上の「塗り板(見本板)」を使った屋外での確認です。以下のポイントを意識してチェックしてください。

1. 実際の壁面に立てかけて確認する
色見本を手元で見るのではなく、実際に塗装する外壁に立てかけて、少し離れた位置から眺めてください。地面からの照り返しや、隣家の壁の色、庭の植栽の緑など、周辺環境の色が反射して見え方に影響を与えることがあります。

2. 天候と時間帯を変えて観察する
晴天の昼間だけでなく、曇りの日や夕方にも確認を行うことが大切です。特にツヤあり塗料は、直射日光下では白く光り輝いて見えますが、曇天時には色が沈んで見えることがあります。また、西日が当たる時間帯の反射具合も、近隣への配慮を含めて確認しておくと安心です。

3. 面積効果を考慮する
色は面積が大きくなるほど、明るい色はより明るく鮮やかに、暗い色はより暗く感じる「面積効果」という視覚特性があります。ツヤの有無はこの効果を増幅させることがあるため、色見本よりも「ツヤありは派手に」「ツヤなしは穏やかに」なると想定してワントーン調整することをおすすめします。

可能であれば、施工業者に依頼して実際の壁の一部に「試し塗り」を行ってもらうのが最も確実な方法です。サイディングの凹凸やモルタルのパターン(模様)によって影の落ち方が変わり、それによってもツヤの感じ方は大きく異なります。光の反射とテクスチャーの相性を現地で確認することで、長期間満足できる理想の外観を手に入れることができるでしょう。

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